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『用心棒』の卯之助が羨ましい [映画]

以前、「『ラストマン・スタンディング』 のウォーケン」という記事を書きました。

ウォルター・ヒル監督の『ラストマン・スタンディング』は、黒澤映画 『用心棒』 のリメイクです。

私のお気に入り俳優クリストファー・ウォーケンが演じた役ヒッキーは、『用心棒』では仲代達也が演じた卯之助という役にあたるそうです。

(卯之助って、どんなキャラクターとして描かれているのだろう?)
興味がわいてきました。


1961年、黒澤明監督作品 『用心棒』


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いやぁ、面白かったです。
痛快!
まさに この2文字です。

【1】 音楽
中でも特に驚いたのは、映画の映像や殺陣ではなくて、映画音楽です。
派手というか、モダンというか、ホルン・セクションが聞かせるというか・・・。
その大音量で入る音楽が、モノクロの映像と絶妙に合っていて見事でした!

また、女郎屋で女達が踊るシーンの なんというファンキーさでしょう!

そういう場面の音楽は・・・ツントンシャン・・・しゃなり しゃなり・・・みたいな和風のものと思い込んでいたので、美しいとは言い難いお女郎さんたちが奏でるけたたましい音楽と、スチャラカチャンチャンみたいな踊りには、思わず笑ってしまいました。


【2】 三船敏郎
私にとっての三船敏郎は、「男は黙ってサッポロビール」のCMのイメージが強くて、無口で恐くて男臭い、そんなイメージでした。

でも、この映画の三十郎は・・・・・・お茶目な部分がたくさんあるんですね。

やくざの親分と女郎屋の女将が密談しているのを立ち聞きする時、女郎衆に向かって、人差し指を唇にあてて(しーっ)という仕草をする三十郎。
もう一人の雇われ用心棒が、逃げ出すのを手を挙げて見送る(見逃してあげる)三十郎。
土下座をして御礼をしている親子三人を目の前にして、「早く逃げんかい!」とおろおろする三十郎。

三十郎というキャラクターが とても人間臭く描かれていて、好きになりました。

ジャイアント馬場みたいな大男にリンチされてボロボロになった三十郎が逃げ出すシーンも秀逸でしたね。
三十郎は ろくに歩けないのでズリズリ這って、這って、なんとか めし屋に逃げ込みます。
でも、そこから先はどうやって逃げるの?

なるほどねぇ・・・。
いろいろな伏線が生きている見事な逃走策です。


【3】 脇役陣
一膳めし屋のじいさん(東野英治郎)・・・映画を観終わってしばらくしてから、あの水戸黄門さまだったことに気が付きました。(^^;
それくらい、さびれた宿場町のめし屋のじいさん役が はまってましたね。

山田五十鈴 姐さんは、いやぁ、女郎屋の悪い女将を本当に憎々しげに演じていました。
人質にとられていた息子を取り戻した時も、いきなり張り手ですもん!
で、開口一番
「なんで、舌を噛み切って死ななかったんだい!(パチン)
お前を助けるために、どれだけ苦労したと思ってんだい!(パチン パチン)」
ですもん!

そんな鬼のような母なのに(それとも、あれも彼女なりの愛情表現?)、終盤のシーンでは、息子が「おっかぁ!」と駆け寄ろうとするあたり、ちょっぴりホロリとしました。


【4】 卯之助
イギリス製のマフラー?をして拳銃を使う 卯之助(仲代達也)。
ファッションや飛び道具が時代劇っぽくないだけでなく、最期のシーンも見せ場満載で、印象に残る役でした。

白黒映画なので、血のシーンがあるという気はほとんどしなかったのですが、卯之助の最期のシーンでは、あっ!と息を飲みました。

倒れた卯之助の体の下にみるみる広がる血溜り・・・。
これが光の反射によるのか、灰色ぽい液体が広がっていくように見えるのです。
もし、カラーだったら・・・・・・
赤い血溜りが目に入った瞬間に、なんとなく、現実世界に引き戻されて、後味が悪かったかも・・・。


卯之助は、最後の最後まで、観客を惹きつける印象的な役でした。
あぁ、それなのに・・・。
それをリメイクしたはずの『ラストマン・スタンディング』のヒッキー(クリストファー・ウォーケン)は、なんと あっけなく死んでしまったことでしょう!

私は、ウォルター・ヒル監督(もしくは脚本家)に 強く言いたい!
「ウォーケンの演じたヒッキーは、どうして あんなに影が薄い役にされてしまったの?」

まあね、主役の三十郎にあたるジョン・スミス(ブルース・ウィリス)の印象も薄いのですから、脇役のヒッキーにそれ以上の書き込まれたキャラクターを期待してはいけないのかもしれませんね・・・。ボソッ。


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コメント 25

u_yasu

『用心棒』、良い映画ですよね!!
『ラストマン・スタンディング』・・・結構期待して劇場に観に行って、うーん・・・となったのを思い出しました。
ブルース・ウィリスもクリストファー・ウォーケンも、良さが出てなかったような記憶があります・・・。
今度、また『用心棒』観直してみます!!
by u_yasu (2008-04-20 16:25) 

a-muda

これは是非見てみたいです。

最近国内外で黒沢映画のリメイクが流行っているようですね。
by a-muda (2008-04-20 19:09) 

たいへー

あれ? 昨日の夜BSでやってたような・・・
飯屋の中は、「黄門様」と「侍」でしたね。
でも、三船敏郎って、歩くだけでも絵になるわ~・・・
by たいへー (2008-04-20 21:25) 

欲張りウサギ

三船敏郎に黄門様、流石にキャストが凄いですね!!
そうそう、クリストファー・ウォーケンって誰だろうと思っていましたが
やっと分かりましたぁ!!
いろんな映画に出ていて個性のある有名な俳優さんですよねぇ。
渋くってカッコイイ!!
そしてさりげなく優しさが見え隠れするような所がまたいいなぁ(^^)
by 欲張りウサギ (2008-04-20 22:22) 

barbermama

『用心棒』は三船敏郎さんが亡くなったときの追悼番組で観ました。
黒沢監督の映画は本当にリアルで、この映画で印象に残っているのは
めし屋の親父を始めとする出演者のカツラがいかにもありそうに作ってあったこと。
普通に考えたら髪の多い人、少ない人、白髪の人、いろんな人がいるだろうし、平民は毎日髪結いできなかったはず。
それなのに最近の娯楽時代劇ではきれいに整った髷ばかりでおかしいといつも思っているんですよ。
職業柄つい頭ばかり見てしまうので力が入ってしまいました(笑)。
by barbermama (2008-04-20 23:16) 

びっけ

u_yasu さん、nice!&コメントありがとうございます。
『用心棒』は、小学生か中学生くらいの頃にテレビで観たような気がするのですが、ほとんど忘れていました。
だから、初めて観たという感じです。
晩年の黒澤映画よりも、私のテイストに合っていました。(^^;
次は『椿三十郎』を観ようと思っています。
by びっけ (2008-04-21 00:00) 

びっけ

a-muda さん、nice!&コメントありがとうございます。
そうですよね。
去年は織田裕二の『椿三十郎』でしょ、今年は嵐の松潤の『隠し砦の三悪人』でしょ・・・。
もし、黒澤監督が存命だったら、これらの映画を観て、何て言うのかなぁ・・・。
by びっけ (2008-04-21 00:02) 

びっけ

WIZARD さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2008-04-21 00:03) 

びっけ

夢空さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2008-04-21 00:04) 

びっけ

たいへーさん、nice!&コメントありがとうございます。
フフフ。そうなんです。土曜の夜のBS2で観たのです。
受信料の元を取らなくちゃね!(笑)
三船が、袖の中に手を入れて、肩で風切って歩く後姿は、本当にかっこよかったですねぇ・・・。惚れ惚れします!
by びっけ (2008-04-21 00:09) 

びっけ

欲張りウサギさん、nice!&コメントありがとうございます。
『用心棒』には、あの「仮面ライダー」死神博士、天本英世もチラッと出ていました!

あっ! ウォーケンがどの俳優か、わかっていただけましたか!?
嬉しいです。
まだまだ、しつこく、ウォーケンカテゴリの記事は書いていくつもりですので、よろしくお願いします。(笑)
by びっけ (2008-04-21 00:18) 

びっけ

barbermama さん、nice!&コメントありがとうございます。
そう言われれば、着物の着こなし(着くずし)加減や、汚し加減だけでなく、髪型もリアルで自然でした!
さすが、barbermama さん、目の付け所が、違いますね!!

最近の時代劇は、まず、お目目パッチリの今風の顔立ちの役者がやっている時点で、フィクションだなぁと思い知らされます。(^^;
by びっけ (2008-04-21 00:21) 

コトロ

こんにちは。
私も「用心棒」大好きです。初めて見た時は最後の決闘シーンがあまりにも一瞬で何が起こったのか分からなかったです。「ラストマンスタンディング」の方はイマイチだと言う評判を聞いていたので未見ですが、クリストファーウォーケンが卯之助役をやったのならちょっと見てみたい気がします。あっでもあっさり死んじゃうんですね。
クロサワは「用心棒」ではかなり時代考証に凝ってリアルな映画作りに徹したらしいですが、卯之助のマフラーだけは時代考証無視して使ったらしいです。でもあのマフラーはすごく似合ってて正解だと思います。
クロサワの映画では「七人の侍」がベスト…と言うよりそもそも邦画の中でもNo.1だと思います。そちらも是非。
by コトロ (2008-04-21 01:08) 

アートフル ドジャー

ほんのちょっと前まで6000~円してたのに・・・ちょっとムカつく感じですっが作品の評価には・・・です。
by アートフル ドジャー (2008-04-21 09:46) 

miyuco

リメイクなのに卯之助のウォーケンがすぐ殺されるなんて
ちょっと考えられません^^;
三船敏郎、かっこいいですよね!
山田五十鈴姐さんにも惚れ惚れいたしました。
BSでやっていたのは知っていたのですが
キャプテン・ジャック・スパロウへの愛が深すぎて
そっちを見てました^^;(何回も見てるのに)
「椿三十郎」はリメイク映画を見る前におさらいしようと
見直したら、もう織田裕二は見たくなくなってしまったので
「隠し砦の三悪人」は黒澤映画を見ないで
映画館に行こうと思っています。楽しみ!
by miyuco (2008-04-21 18:39) 

あんみつ

三船さんの用心棒見たという記憶は残ってますが・・・それだけで・・・^^;
リメークされたのは知っていますが、誰がするか知りませんでした
ウォーケンさん、ブルース・ウィルスが出てたんですね・・・
by あんみつ (2008-04-21 21:21) 

びっけ

コトロさん、nice!&コメントありがとうございます。
そうですよね。
殺陣がとにかくスピーディですよね。
三船敏郎の殺陣は、無駄が無い流れるような動きで、変な言い方かもしれませんが、美しかったです。

『ラストマン・スタンディング』のウォーケンですが、私の書き方が悪かったですね。
登場してすぐに殺されるわけではありません。
一応、最後の最後に主人公と、さしで勝負するのですが、その撃たれた後が、わりとあっけない・・・ということです。
卯之助は、ほら、切られた後も、いろいろ見せ場があるし、台詞もいろいろありますでしょ!(^^;

卯之助のマフラー、不思議と違和感がなかったです。
仲代達也が少しバタ臭い顔つきだからかしら・・・?

コトロさん一押しの『七人の侍』・・・小学生の頃によそ見しながら観ていた記憶しかないので、ちゃんと正座して!?観ようと思います!

by びっけ (2008-04-21 23:37) 

びっけ

アートフル ドジャーさん、nice!&コメントありがとうございます。
まぁ、少し前まではそんなに高かったのですか!
黒澤映画のリメイクが続いたり、DVDが廉価になったり・・・。
著作権が切れるのは死後50年以降ですよね?
でも、なにかしら契約関係でフリーになったことがあるのかしら?
by びっけ (2008-04-21 23:42) 

びっけ

miyuco さん、nice!&コメントありがとうございます。
えーと、私の書き方が悪くて、誤解を与えてしまったようです。(^^;
ウォーケン演じるヒッキーは、登場してすぐ死んでしまうわけではなく、最後の最後に主人公と勝負します。
そこは『用心棒』と同じです。
違うのは、死に至るまでの見せ場です。
卯之助は切られた後も、ちょっと見せ場があるし、いろいろ喋って、存在感のある死に方をしていました。
それに比べ、ヒッキーは、撃たれた後、印象に残ることをするでもなく死んでいったのです。
もう一度、見直してみたら、案外、卯之助みたいにいろいろ喋っていたのかもしれませんが、記憶に無いくらいですからねぇ・・・。(^^;

『隠し砦の三悪人』・・・本家を先に観ないのは賢い選択だと思います。(^^)v
by びっけ (2008-04-21 23:53) 

びっけ

extraway さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2008-04-22 00:16) 

びっけ

あんみつさん、nice!&コメントありがとうございます。
『用心棒』のリメイクとしては、クリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒』も、そうらしいです。
『荒野の用心棒』も、もう一度観ようと思っています。
そっちの方が『ラストマン・スタンディング』より出来が良かったはず。
(^^;
by びっけ (2008-04-22 00:23) 

びっけ

椎名さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2008-04-24 19:28) 

Bee

卯之助のマフラーは、仲代達也の首が長いので、着物を着た時の見た目がアンバランスで、黒澤監督が「お前、ちょっと首にまいてみろ」という事で、ああなったそうです。。
by Bee (2008-05-02 00:57) 

びっけ

Beeさん、コメントありがとうございます。
なるほど。首が長くてひょろっとしていると、少し弱々しく見えますものね。

映画『椿三十郎』では、黒澤監督も、仲代氏の首の長さは気にならなかったのか・・・あるいは、役柄上、いくらなんでもマフラーは無しだろうと考えたのか・・・。
by びっけ (2008-05-06 01:27) 

サンフランシスコ人

7/22 「用心棒」をサンフランシスコの近くで上映します...

http://www.bampfa.berkeley.edu/event/yojimbo-8
by サンフランシスコ人 (2017-06-13 05:56) 

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